天国と地獄
 

2024年2月5日更新

第236回 年頭のふたつの出来事を教訓にして

今年は、年頭から波乱の幕開けとなりました。
ご存じのように、元旦に能登半島で巨大地震が起こり、
能登半島の沿岸部各地で津波が発生しました。
能登半島地震により犠牲となられた方々にお悔やみを申し上げるとともに、
被災されたすべての方々に心よりお見舞い申し上げます。

その時、私はちょうどNHKを見ていたのですが、
緊急速報の音とともに画面が切り替わり、
大津波警報が出た瞬間スタジオの女性アナウンサーが
「津波です! 津波です! 逃げて下さい! 急いで高台に避難して下さい!!」
と絶叫していたことを覚えています。

そして翌2日には、羽田空港で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突するという
大事故が起こりました。お正月早々起きたこのふたつの大災害と大事故に、
皆さんもさぞや驚かれたことでしょう。

このふたつの事は、それぞれ私たちにとって今後の教訓としなければなりません。
まず能登半島を襲った大災害についてですが、平成、令和と天災が非常に増えています。
「3.11東日本大震災」はその中で最たるものでした。
恐らく今年、来年と、また別の大きな天災が起こるのではないかと私は見ています。
ですから、本当に気をつけて行動したいですし、
備蓄をはじめ備えも改めて見直して行きたいです。
このコラムを読まれている皆さんも、真剣に心がけていただきたいと思います。

大きな天災に見舞われてしまうと、人間の力ではどうにもしようがありません。
今回、大地震による土砂崩れに津波、木造家屋の倒壊と、
自然の力を前に人間の力はあまりにも非力です。
自衛隊や国も総力をあげて必死に救援・復興活動をやっていますが、
なかなか簡単には復旧できそうにありません。
天災の恐ろしさを実感するばかりです。

日本は世界有数の「火山大国」であり「地震大国」でもあるので、
そのリスクは他の国々と比べて大きく、一旦災害が発生すると被害は甚大です。
世界には約1500の活火山があると言われていますが、その1割近くがわが国に存在します。
日本という国は、世界でも自然災害が多い国であり、
私たち日本人は常に気を抜いてはいけないのです。

次に2日の航空機事故についてですが、これは残念ながら「人的ミス」ですね。
人間の思い込みや聞き違いが起こしたもので、私たちの日常生活にも起こり得ることです。
こちらは私たち自身が努力をすれば可能な範囲で防げるわけで、
いかに人的ミスを少なくするかが大事です。
仕事で簡単なミスをしても「まぁ、いいや」と軽く考えている方が多いかもしれませんが、
私はそれは違うと思っています。

私は、かつて毎日新聞社で報道カメラマンをしていました。
当時はまだフイルムの時代でしたので、
ちょっとしたミスで致命的な“こと“が起きてしまいます。
フイルムを現像するまでは、決して気が抜けませんでした。
今はデジカメですから、撮ってすぐに映像を確認することができますが、
フイルムの時代はその一瞬を逃してしまえば終わりですし、
現像の段階で失敗することもあります。
仕事において「ミスを絶対にしない!」ということを、
毎日新聞社時代に厳しく仕込まれたことは、私にとって本当に幸いでした。

人間というものは、どんなに注意をしていてもミスはするものです。
ただ、それが致命傷にならないように努力することが大事なのです。

そして、ミスとは少し違いますが、歴史の教訓から学ぶことも重要です。
歴史は繰り返します。今の日本の財政がまさにそれで、
歴史上、借金をし過ぎた国や組織は、必ず破綻しているのです。
国の場合、ハイパーインフレになり、徳政令、預金封鎖などが行なわれます。
それを忘れ、今まで何事もなかったからこれからも何も起こらないだろう
とここまでやってきましたが、いよいよ“どん詰まり”に来ています。

最近、日銀の元信用機構局長の田邉昌徳氏が次のような見解を述べました。
「日銀が金融緩和を続け、円を刷りまくってきたが、
他の先進国はコロナが終わったので引き締めに転じている。
円を大量にバラまいているのだから円安になって当然だ。
さらに心配なのは、日本円を巡るガバナンス(統治・支配・管理)が
機能不全に陥っているのではないかということだ。
それ自体に価値がない紙幣が貨幣として通用するのは、
きちんとした仕組みの下でコントロールされ、
ちょうどよい量が供給されているという信頼があるからである。
その前提が失われた途端、通貨の信用は崩壊し、ハイパーインフレが起きる。
これはどんな国でも同じである。
というわけで、政府の財政支出もコントロールする必要がある。
つまり、財政支出を貨幣の量の面から制御する、そういうノウハウが必要である。
日銀と政府が話し合う委員会のような場を作り、
財政マネーも制御しないと、いずれ破局がくる」と。

日銀の元事務方の中枢にいた人間が言い始めているのです。
ですから、私たちは本当に気をつけなければなりません。
私は以前から、日本の財政は将来破綻する可能性があると警告し続けて来ましたが、
いよいよその時が近付いて来たのです。
大きな天災が起きると財政破綻も一挙に来る、ということがあり得ます。
皆さんも、ぜひ真剣に備えて欲しいと思っております。

その場合、一番有効なものは日本国内においては
「米ドルの現金」と「ダイヤモンド」です。
金(ゴールド)は優れた現物資産ですが、
往々にして国家破産その他で没収の対象になっています。
そのため、やはり一部はダイヤモンドが必要なのです
(ダイヤモンドにご興味のある方は、
第二海援隊『ダイヤモンド投資情報センター』まで
お問い合わせ下さい<Tel:03-3291-6106 担当:大津>)。

 

近年、日銀内部にいた人や財務省内部にいた人などが、次々とその実態を警告し始めている。
災害もそうだが、警告を軽んじる人は実際にそれが起こった時に備えがなくて大変な目に遭う。
私たちは自然災害多発国、そして国家破産最注意国に生きていることを忘れてはいけない。
                (2024年1月 長野県長野市にて)