天国と地獄
 

2023年8月4日更新

第226回 北海道で思ったこと

皆さん、こんにちは。
今回は、先日訪れた北海道での体験についてお話ししたいと思います。
毎年6月の上旬には、私の札幌講演会が開催されるのですが、
私は講演会の後、親しくしている私の大ファンの会員さんに会いに行きます。
この年中行事を、私はとても楽しみにしています。

今回は、二つ話題があります。
まず一つ目ですが、皆さんもニュースでご存じのように、
最近、野生の熊が人間に被害を与えています。
札幌などの住宅街でも頻繁に熊が出没し、道路を横断する姿が目撃されています。
残念ながら、最近では熊に襲われた人が亡くなる事例も報告されています。

日本では、猛獣に襲われることはそうそうありません。
本州では、ハブやマムシなどの毒蛇が怖れられていますが、
森にでも入らない限り遭遇することは滅多にありません。
本州にはツキノワグマという熊もいますが、
ヒグマと比べると大きさに大きな違いがあります。
ツキノワグマはヒグマよりふた回りほど小さく、高齢者や子供を除けば怪我はするかもしれませんが、
致命的な被害には至らないことが多いと言われます。

しかし、ヒグマは別です。
人間はヒグマにはとても歯が立ちません。
また、北海道の人々は「鹿が怖い」と言います。
田舎の道路を運転中、ある程度のスピードで鹿にぶつかると車が大破し、
廃車となるような大事故に至ることもあると言います。
特に角のある雄鹿にぶつかると、鹿の角がフロントガラスを突き破り、
ドライバーが死亡してしまうこともあるそうです。

二つ目の話題ですが、今回初めてあの有名な“登別温泉”を訪れました。
その際のエピソードをお伝えします。
この温泉地は、かつてドリフターズの「いい湯だな」で有名になった場所です。
テレビなどでも頻繁に取り上げられ、
その評判の高さから、私も以前から気になっていました。
ついに、その名宿に宿泊することができました。

夕食の席で、私が書いた『2026年 日本国破産<警告編>』を
スタッフを通じて女将さんに渡したところ、彼女はすぐさま飛んできて
「今晩、早速読ませていただきます」と、とても喜んでくれました。
私は、夕食に持参していたシャンパンがだいぶ残っていたので、
それも女将さんに差し上げました。
翌朝、私が朝食を終えてラウンジでコーヒーを飲んでいると女将さんがやってきて、
本とシャンパンのお礼にと、お土産をいただいてしまいました。

その時にいろいろな話をしました。
コロナの影響がだいぶ少なくなったとは言え、建設業をはじめ北海道も厳しい状況で、
コロナが収束してもまだまだ困難が続くだろうと言っていました。
宿泊業も例外ではなく、国の支援によりお金を借りられたのはよいけれど、
多くの人がそれに甘えてしまい、自分たちで立ち上がり、
困難を乗り越える力が失われてしまったと女将さんは嘆いていました。

「やはり、人手不足ではないですか?」と私が尋ねると、女将さんは頷きつつ、
それだけではなく、精神的に不安定な人が目立つと言っていました。
若い人を雇っても、鬱病などの心の病に苦しんで辞めてしまったり、
仕事中に心身のバランスを崩して病院へ連れて行かなければならない
などということもあるそうです。
「旅館にも優れた精神科医が必要です。日本の将来は明るくないですね」と言っていました。

そんな事情もあり、国の財政破綻リスクに関する本には非常に興味があるとのことでした。
私が女将さんにあげたのが『2026年 日本国破産シリーズ』の1巻目でしたが、
残りの4巻も「ぜひ購入して読みます。知り合いにも勧めます」と言っていただきました。

最後に、彼女が言った言葉にはとても共感しました。
「人間は、自立しなければダメで、国に頼るばかりでばら撒いてもらうことばかりを
待つようになったらおしまい」との言葉は、まさにその通りだと思いました。
有名で評判の良い旅館の女将というのは、やはりどこか違うなと思いました。
たとえ困難な状況にあったとしても個人の自立と努力が大切だ、
ということを理解している彼女の姿勢には心強さを感じました。

登別を後にし、私はファンの方に会いに鹿部町へ向かいました。
鹿部町は函館から少し北に位置し、有名な大沼公園から車で30分ほどの距離にあります。
毎年、私は美しい景色が広がる大沼公園駅に降り立ちます。
ここには、近くにある駒ヶ岳という大きな火山が噴火した際にできた、
非常に美しい沼が広がっています。

大沼公園の近くには、私がいつも歩く遊歩道があります。
今回は皆、「熊が出るかもしれないから危険だよ!」と行くことをためらっていましたが、
私は「大丈夫ですよ! 5~6人で行けば安全ですから!」と言い、
結局、いつも通りその遊歩道を歩いて湖畔まで行き、恒例の記念写真を撮ってきました。

人間の心は、不思議なものです。
熊の話を聞いていると、何か「ガサッ」という音が聞こえると
「あ、もしかして熊かもしれない!」と思ってしまいます。
とにかく、そこは本当に素晴らしいところで、その時の映像(動画)もアップしておきます。
【動画はこちら】 (2023年6月撮影分)
カジカ蛙の声も入っていますので、ぜひご視聴ください。
写真も載せておきますので、
皆さんにも北海道の素晴らしさを共有していただければと思います。

 

札幌訪問は、私が楽しみにしている行事の一つである。
親しくして頂いているファンのご家族や北海道の自然、
そこに住む人々とのふれ合いは私の心を豊かにし、いつも気づきを与えてくれる。
(2023年7月 札幌大沼公園近くの湖畔にて)