天国と地獄
 

2020年10月15日更新

第144回 危機を生き残るための情報

 

皆さんこんにちは、浅井隆です。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、
私は「経済トレンドレポート」という会員制のレポートを10日に1度、発刊しております。
見開き4ページの紙面のレポートなのですが、
皆さんにぜひこのレポートを参考にしていただきたいと思っています。

今回のコロナ・ショック(大不況)で、航空業界、
観光業界そして外食産業などは本当に壊滅的な被害を受けました。
さすがに、この新型コロナウイルスの流行を予測することはできませんでしたが、
実は私は以前から「2020年に恐慌がやってくる」と言ってきました。
後出しする論者が少なくない中、これほど明確に当てた人間はほとんどいないと自負しています。

予測が的中したという“証拠”があります。
まず昨年の7月10日、今から1年ちょっと前のことですが、
「経済トレンドレポート」の第1面で
「第1弾!恐慌警報 次にやってくる危機は、
リーマン・ショック以上の大災害の可能性」という見出しで、
「もうすぐ恐慌がやってくる、しかもそれは世界恐慌レベルだ」という旨を警告しました。
さらに今年の2月20日、世界的に株価が暴落する直前、
「経済トレンドレポート」で「第8弾 恐慌警報」として、
「やはり2020年はとんでもない年になる!?」ということを書きました。
これら2回のレポートをきちんと読んで手を打った人は、
今回のコロナ・ショックを回避できたことと思います。

会員さんの中には私と個別相談をしたり、
あるいは講演会の時に前の方の列に座って休憩時間に相談をされる方が多くいらっしゃいます。
その中で昨年、ある会員さんが大きな不動産を処分しようかと悩んでいました。
私は「絶対に売った方が良い!」とアドバイスしたところ、
かなり大きな額だったのですが昨年売却することができました。
すると今年、周囲から「あんた、本当に良かったね!!」と言われたそうです。
「今、あなたが持っているその多額の現金は、コロナ前に比べて2倍の価値があるよ」と。
恐慌時は、現金の確保が最優先となります。
激烈な金融緩和の中でもこの9月末発表の2020年の基準地価(7月1日時点)は、
全国の用途平均で3年ぶりの下落となっています。
実体経済の悪化は深刻であり、今後どうなるか先は不透明です。
昨今は相続税対策でビルを建てるのが流行していましたが(それも借金で)、
賃貸マンション、飲食店などが入るテナントのオーナーたちの一部は
もう生きるか死ぬかの状態だと言えます。

たとえば、カラオケ店がいくつか入っている複合ビルの場合、
現在カラオケ店のお客は激減しています。
平時でしたら「(家賃を)払わ(え)ないなら出て行け」でことは済みますが、
今はそれもできない。オーナー側も多額の負債を背負っている場合がほとんどで、
現金など流動性の高い資産をほとんど持っていないという人は少なくありません。
さらに、たとえテナントに「出て行け!」と言っても、
新しく借り手が付くかわからない状況です。
まさに生死の瀬戸際、首をくくるかどうかの問題でしょう。
コロナ・ショック以前は、良い場所に良い賃貸ビルを持っていれば
いくらでも安定した収入が入って来ました。
大げさに言えば、1年中温泉三昧でたまに銀行口座をチェックして、
あとは管理会社に任せておけば何もしなくてもよかったわけです。
それが、一瞬にして地獄と化してしまいました。

もう一人の会員さんは、鉄道会社が運営する都内の不動産の何分の一かの権利を持っていました。
私はその不動産について、数年前から相談を受けていました。
それもまた、飲食店などが入る複合ビルです。
駅前で立地は非常に良いのですが、
私は「その権利を全部、売った方が良い」とアドバイスしていました。
すると昨年、売却できたのです。

こういった例がたくさん生まれました。
現在はネット上にいくらでも情報があり、多くの情報を得ることができます。
ただし、ネット上の情報量は豊富過ぎますし、いい加減なものやデマなども混じっています。
もちろん貴重な情報もあるのですが、取捨選択が難しいのです。
それに対して私どもの「経済トレンドレポート」は、私が世界中からいろんな情報を仕入れ、
そこに自分の感性を加えた「インテリジェンス」と呼ばれるものだと自負しています。
「インフォメーション」ではありません。
この「インフォメーション」とは、ただの雑多な情報やデータを指します。
ニュースの大部分はインフォメーションに該当します。
「インテリジェンス」というのは無数のニュースやデータからある人間が加工して分析したもので、
意思決定に役立ててもらうものです。

自慢ばかりで恐縮ですが、私どもの「経済トレンドレポート」は
今回の経済危機を見事に当てました。
去年の7月10日の時点で第1弾、さらにその直後に第2弾と情報を発信し、
今年の2月20日(暴落の直前)には「とんでもない年になる」と警告したのです。

感染症の拡大によってオリンピックも延期になってしまいましたし
(下手をすると中止になるかもしれません)、業種によってはすでに壊滅的な状態です。
JTBやHISといった名だたる旅行代理店、JALやANAなどの大手航空会社などは、
まさに目も当てられない状況です。
インバウンド関連は東京オリンピックを契機に事業をかなり拡大し、
銀行もこぞって“成長産業”に融資してきました。
仮にオリンピックが中止となれば、これらの多くが焦げ付き、
日本発の金融危機が起きても不思議ではありません。
邦銀による融資は、先のバブル期以来に過熱していたという分析が方々からなされていますが、
実体経済の悪化が長引けば不良債権化は避けられないでしょう。
しかも昨今は、邦銀の対外融資残高がかつてない水準にまで高まっていました。
世界的にコロナが長期化すれば、
対外債権の焦げ付きすら覚悟しなくてはいけなくなるかもしれません。

株式市場は見事なV字回復を果たしており、
「リーマン・ショックより大したことない」と考えている人もいるかもしれません。
しかし、実体経済の落ち込みはリーマン・ショックを上回るひどい状態です。
1930年代の大恐慌以来の不況と言っても過言ではありません。
しかも、いつ終わるかが全くわかりません。
1910年代のスペイン風邪、1960年代終盤の香港風邪は、いずれも深刻な第二波を起こしました。
どちらのパンデミック(世界的な感染拡大)も収束までに2年以上を要しています。
根拠もなく楽観するのではなく(そういう場面も必要ですが)、
ここは最悪を想定すべきではないでしょうか。

こういう状況下を生き抜くために最も大事なのは、やはりインテリジェンスです。
そして、私どもの「経済トレンドレポート」がその最善案であると確信しています。
「経済トレンドレポート」は、証券会社のような長ったらしい分析ではなく、
インテリジェンスが簡単明瞭に記されています(そのために最大限の工夫をしています)。

米国には、「資産家は恐慌時に生まれる」という格言があります。
1930年代の大恐慌は多くの人を破産に追い込みましたが、
逆に恐慌をきっかけに生まれた財閥も複数ありました。
代表例は、ジョン・F・ケネディの父親であるジョセフ・P・ケネディです。
ウォール街で働く靴磨きの少年との会話から相場のかつてない過熱を感じ取ったジョセフは、
高値で株を売り抜け、暴落後に底で拾ってケネディ財閥の礎を築きました。

「経済トレンドレポート」をうまく使える人が使ったならば、
たとえば100億の資産を200億に増やすことに成功したり、
少なくとも100億を減らさないことに成功することでしょう。
「経済トレンドレポート」には、それだけの価値があると思っています。
購読料は、年間約3万円です。
「情報は無料が当たり前」という時代になっていますが、
「お金を出すだけの価値はある」と自負しています。
この10月からは「電子版」も発行しております。
ぜひ、この機会に「経済トレンドレポート」を御購読いただき、
意思決定のお役に立てていただきたいと思います。

私が主催する「経済トレンドレポート」は
23年の歴史を持ち、
今も約2千数百人の購読者を誇る。
10日に1回、
年に数回の休み以外はお手元に届くので、
ぜひご購読いただきたい。

(2020年7月 東京都・御茶ノ水にて)