天国と地獄
 

2018年8月27日更新

第67回 一生に一度はスペインへ

 

私は今、スペインに来ています。
イギリスから移動して来て、ちょうど5日ほど経ったところです。
ロンドンからブリティッシュ・エアウェイズでスペインのマドリッドに到着し、
マドリッドで2泊しました。
その後、新幹線に乗って南へ向かい、
あの有名な「アルハンブラ宮殿」があるグラナダの近くまで行きました。
こちらの新幹線は、おそらくフランスの技術を取り入れているのだと思うのですが、
時速250㎞くらいのスピードが出るものがあります。
グラナダまで新幹線が通っていれば良いのですが、
現在はグラナダ駅が工事中のため途中の小さな駅で降りました。

道中、窓から景色を眺めていたのですが、
日本とは違って本当に広大な土地が広がっていて、
空気はとても乾燥しています。
砂漠とまではいきませんが、
スプリンクラーで水をまかなければオリーブの木でさえも枯れるのではないかと思うほどです。
時折、小さな丘のような山はありますが、見渡す限り雄大な土地が広がっています。
ご存じのように、日本最初の新幹線はずいぶん前にできましたが、
今でも北陸新幹線、北海道新幹線、九州新幹線が路線を延伸しようとしている状況で、
その用地買収は大変だと聞きます。
それに比べてスペインの場合、線路と列車にはお金がかかっても
全体としての費用は安く上がるだろうという印象を持ちました。

こちらの新幹線のファーストクラス、
日本の新幹線のグリーン車に相当する車両に乗ったのですが、
驚いたことに座席の向きが変えられないのです。
日本の新幹線は座席の向きを進行方向に変えられますよね。
それができず一定の方向を向いたままなのです。
その上、車体も日本の新幹線より少し狭く感じます。
ご存じの方も多いと思いますが、日本の新幹線は線路の軌間が「標準軌」です。
JRと私鉄は、一部を除いて一般的に「狭軌」です。
これは明治時代に鉄道を導入した際、
インドから狭い仕様のレールを入れてしまったようで、それがいまだに使われているためです。
新幹線導入によって、初めてそれを「標準軌」にしたのです。
こちらスペインではもっと広い「広軌」なのですが車体は小さく、
日本のグリーン車は座席が横に4列ありますが、こちらでは3列です。
椅子の座り心地も良くないし、大ざっぱな感じを受けます。
しかも、揺れの振動も直に伝わって来ます。

日本の新幹線は本当に良くできていますし、乗り心地もサービスも快適です。
清潔で細かいところにも気配りが行き届いており、
日本のお国柄をよく表わしているな、と感じました。

スペインの新幹線「AVE」(アベ)。
乗り心地はいまいち。

グラナダ近くの駅で新幹線を降りて、
重いスーツケースを押しながらホームを一生懸命歩いたのですが、
そのホームの長いこと、長いこと。
ホームの途中には掃除をしていない場所もあり、
ハトのフンだけではなく死骸まで落ちているという、
綺麗好きな人だったら卒倒しそうな所もありました。
荷物を運ぶカートなどもありませんでしたので、
暑い中をヒーヒー言いながらやっとの思いでタクシー乗り場までたどり着きました。
そこから有名な「アルハンブラ宮殿」があるグラナダまでは、1時間ほどかかりました。

アルハンブラ宮殿というのは一種の城塞ですから、
敵が攻めにくいように45度くらいの
激しい傾斜の山の上にあります。
その日は、その谷の反対側にある
素晴らしいレストランのオープンテラスで
夕食を取りました。
そこから見るアルハンブラ宮殿は、
この世のものとは思えないほど美しく、
一生に一度の思い出になるような
絶景を楽しむことができました。
食事の味は100点満点中の65点くらいなのですが、
風景や雰囲気は120点ですね。
ぜひ一度、行かれてみることをお勧めします。


遠目にも美しい「アルハンブラ宮殿」の夜景。
  (スペインにて  2048年6月)

翌日は、いよいよアルハンブラ宮殿内部を見に行きました。
私はここを訪れるのは2度目だったのですが、
何を隠そう宮殿自体はあまり大したことはないのです。
世界遺産の中でも大変有名な場所の一つだと思いますが、
皆さんが“アルハンブラ宮殿!”と言うほど中身がすごいわけではありません。
むしろ、その雰囲気ですね。
庭園と、外から宮殿を見る雰囲気が素晴らしいのです。
アルハンブラ宮殿は、当時のイサベル女王がもともと住んでいた
イスラムの王様を宮殿から追い出して手に入れました。
イサベル女王は、コロンブスの新大陸進出の時に援助したことでも知られていますね。
その後も、アルハンブラ宮殿は様々な歴史的出来事に巻き込まれ、
破壊されたり略奪されたりしています。
そのため修復はされていますが、建物の中はがらんどうなのです。

夕食は、元スペイン国王が訪れたという郊外のレストランに行きました。
そのレストランも料理の味はいまひとつでしたが、
いわゆる伝統的なスペイン料理を食べさせてくれましたし、
なにより大変風情がありました。
スペインは、一生に一度は行ってみるべき国だと思います。
次回は、コルドバ、セビリアの話をしたいと思います。