天国と地獄
 

2020年5月21日更新

第130回 文明800年周期の交差点ゆえの混乱期!?

 

皆さんこんにちは、浅井隆です。
第二海援隊は情報を発信する会社であり、
有事の際は会員の皆様を守るために情報発信を継続せねばなりません。
これが、私たちに課せられた責務です。
政府が緊急事態宣言を出した直後の4月9日から、社員には原則在宅勤務を命じました。
しかし、在宅勤務でもお客様の相談に応じ、
発送物は細心の注意を払って出社したうえで発送するなどして、
情報発信は怠りませんのでご安心ください。

私はもともと新聞社のカメラマンをやっていまして、以前にもコラムで触れましたが、
御巣鷹山墜落現場から始まり、これまで様々な災害現場を取材してきました。
最近では、東日本大震災も近くで経験しています。
なんと偶然、あの日は講演で福島原発に近いいわき市におりまして、
翌日に茨城まで避難したのですが、その道中は大変なものでした。
人間というのは、人生で3回くらいとんでもない目に遭うと言われています。
今回は、コロナウイルスという疫病に人類が直面しています。
しかし、こういう時こそどう対処するかが重要ではないでしょうか。
あまりにも怖がり、一目散に逃げてしまうのも問題だと思います。
逆に、津波の前と同じで大きな津波が来ると警報が鳴っているにも関わらず
「大丈夫だ」と言っているのも問題です。
こうした瀬戸際の判断がいかにできるか、
これが、生き残れるかどうかというサバイバルの要諦だと思っています。

私たちは、個人でも人生において多くの危機に直面しますが、
歴史を振り返ると人類全体も幾度となくとんでもない危機を経験して来ました。
それは、私たち人類だけでなくこの地球上に生きている全ての生命にも言えます。
たとえば今から数億年前、地球に小惑星が激突して恐竜が絶滅した時期がありました。
そのとてつもないイベントを人類の祖先たちは生きながらえ、
今の私たちが存在しているのです。
こうした破局的なイベントは何度も起きており、
その都度、生命は淘汰と進化を繰り返してきました。

こうした壮大な歴史を踏まえて本日お伝えしたいこと、
以前にも何度か取り上げた「800年周期」についてです。
これは私が今から20年以上前に、
縁あってお会いした村山節(むらやまみさお)先生が発見した周期説です。
村山先生はちょうど21世紀に入ってすぐお亡くなりになられましたが、
私の人生に極めて大きな影響を与えてくれました。
まさに、天才だと思います。
後に天才と呼ばれる人は多く場合、生きている間に認められないものです。
たとえばゴッホという画家がいますが、現在でこそ彼は最も評価される画家の一人で、
1枚の絵が下手をすると何十億円もします。
ところが、ゴッホが生きている間に売れた絵はせいぜい数枚だと言われています。
しかも、二束三文の値打ちしか付かなかったと言います。
今で言うと数千円とか、せいぜい1万円くらいでしょう。
当時は誰も彼の絵を評価しませんでしたが、
(これは、気のふれた人の描いた絵だと言われていたそうです)
それが今や絵画の世界において「唯一無二の天才」と評されるようになりました。

村山先生も、そういう人だと私は思っています。
現在でも日本の歴史学の世界ではあまり認められてないようですが、
(ただし、先生が存命中でも世界の一部の人は認めていました)
私はすごい学説だと思っています。
簡単に言うと、800年周期は人類の文明が800年ごとに東洋と西洋とで入れ替わり、
一方が盛んな時は一方が没落し、それが800年の周期で起こっているというものです。
今の21世紀前半というのは、東西の文明の隆盛と没落がちょうど交差する時期に当たります。

東西文明の隆盛と没落の交差点は、すなわちパワーバランスが拮抗する時期です。
ここで気をつけなければいけないのは、この交差点は常に大混乱期だったということです。
パワーバランスが拮抗するために戦争や動乱、ひいては帝国の消滅などが起こりやすい時期なのです。
また偶然か、天変地異も頻発しているのです。
いや、もしかすると天変地異が文明の交代を加速させる役割を担ってきたのかもしれません。
私は、こうした交差点の象徴のひとつが今回のコロナウイルスだと見ています。
発展を謳歌してきたグローバル資本主義の危機、と言えます。

昨今では、より安く、より早く世界各地へ移動できるようになりました。
LCCの出現は、その最たる例と言えるでしょう。
東南アジア諸国に1万円以下で渡航できるというケースも珍しくありません。
「ちょっとあり得ない。少しグローバル化が行き過ぎているな」と私は感じていましたが、
今回はこうした移動しやすいというグローバル化の側面が、
大惨事の原因のひとつになってしまったと思っています。ウイルスは基本的に人が運びますので、
数時間、どんなに長くても数日あれば世界のどこへでも行けるという利便性が
ウイルスの感染拡大に大きく寄与しました。
こんなに医療や科学技術が発達した現代においても、
新しいウイルスが発生してしまうと手に負えません。
マスクすらすぐなくなってしまうことが、改めて露呈しました。
日本政府も、マスクを世帯に2枚ずつ配るのがやっとです。現実はそんなものでしょう。

これは平時においても言えますが、そもそも政府を当てにしすぎてはいけません。
普段から自分で生きていく覚悟、自分で判断する覚悟、要は自助努力が重要となります。
明治維新以降、日本人には「お上頼み」という風潮が強くなったと思います。
しかし、政府も同じ人間で構成されているのであり、国民の多くが平和ボケしているのと同様に、
政治家も平和ボケしてしまっているのです。
政府に対してちゃんと批判することはもちろん大事ですが、
一方で最終的には自分自身の力で生き残りを模索するという努力が欠かせません。
私は無政府主義者では決してありませんが、世界の歴史を知る過程で自助努力の大切さを学びました。
そして、その歴史を考察するうえで800年周期というのは大きな指標になると考えています。

ちょうど800年前というのは何か起きていたでしょうか? 今と逆のことが起こっています。
今は西洋が斜陽になりかけていて東洋が台頭してきていますが、
800年前は逆に西洋が暗黒の中世から這い上がってきました。
十字軍戦争が終わり、ルネッサンスに入って行くところです。
そのあと大航海時代がやってきて、西洋が東洋を植民地化していく過程に入ります。
結果的に、過去800年間は今の西洋近代科学文明の時代でした。
これに対して東洋は、800年前の交差点からさらに400年前に文明の頂点を迎えました。
この時には大唐帝国という中国最大(世界最大)の王朝が誕生し、
その後に宋、そして北方民族の元(げん)が出てきます。
宋と元が交代するときが800年周期における(東洋が没落に向かう)交差点に当たります。
当時のチンギスハンなどは、ものすごい勢力を誇りました。イスラムの諸都市を制圧しています。
恐ろしいことを表現するのに屠(ほふ)るという言葉を使いますが、
チンギスハンに制圧された都市はまさにそういう状況だったとされています。
かつて、作家の井上靖は元朝を「蒼き狼」と表現しましたが、
制圧された側からすると「エイリアン」でしかありません。

元は、凄まじい軍事力を持っていました。
騎馬民族である彼らは馬を乗り換えながら、なんと今のポーランドのあたりまで進出しました。
ポーランドの東の平原で、実はモンゴル軍とポーランド軍が激突しています。
中世のポーランドは非常に強い国でした。
ドイツよりも強かったと言われ、当時のポーランド騎士団は世界最強であったと語り継がれています。
ところが、彼らはとても重い鋼鉄の鎧を着て、さらには大きな槍を持ち、馬も重武装していました。
それゆえ、ゆっくりとしか動けなかったのです。
これに対してモンゴル軍は捨て身とも言える身軽な状態でしたが、その分スピードが速かったのです。
ポーランドを含め、当時の西洋諸国からしたら考えられないスピードで進出してきました。
当時の西洋では、数百キロ離れていたら「だいたい2週間はかかるだろう」と算段するのが普通でしたが、
元はそこを3~4日で来てしまうという具合でした。
元は、重武装の重い鎧を着たポーランド騎士団をぐるりと包囲し、
弓矢と火薬を駆使して一人残らず全滅させたと言われています。
もし、彼らがさらに西へ進出していたらポルトガルまで占領してしまい、
世界の歴史は大きく変わっていたと言われています。

しかし、モンゴル帝国の総帥・オゴタイが亡くなって、元の西進は止まりました。
チンギスハンは生前に後継者を指名していましたが、
オゴタイの死は突然で後継者が指名されていませんでした。
ヨーロッパ遠征軍は慌てて領内に引き返し、後継ぎを決める会議に参加せざるをえなくなったのです。
オコダイの死がなければ、ポルトガルまで占領したと言われています。
今のロシアは当時モンゴル人のことを“タタール”と呼んでいましたが、
モンゴルによるロシア一部地域支配のことは「タタールのくびき」と呼ばれました。
その後、ロシアは100~200年間モンゴルに支配されますが、
いまだに白系ロシア人は恨んでいると聞いたことがあります。
800年周期の交差点というのは、これほどの大動乱期でした。

このように、私は今こそ800年周期を研究する必要があると思っています。
ぜひ、私の書いた800年周期の本も読んでいただけたらと思います。

このような時だからこそ、少しでも情報をお届けしたいと思い、
休業せずに在宅ワーク+一部出社で乗り越えている。
           (2020年4月 東京・世田谷区にて)